ホームの食堂で観る鬼滅の刃




今や社会現象とまでなっている「鬼滅の刃」ですが、それを知るきっかけとなったのは一年ほど前に若いスタッフからとにかく面白いから観てみてと勧められてアマゾンプライムで配信されていたアニメを観たのが最初だった。とにかく映像が綺麗なアニメだなというのが第一印象だったが、内容はかなりグロい。しかし、そのグロさの中に可哀想要素が上手く盛り込まれているところがこれほどの人気となった理由の一つなのだろう。まぁ禰豆子ちゃんも可愛いし、取りあえず嵌った。

その鬼滅の刃の劇場版「無限列車編」も観に行こう行こうと思っているうちに新型コロナでの緊急事態宣言が出されたりしたこともあって結局行けなかった。そうこうしているうちにテレビアニメの二期「吉原編」も近いうちに始まるという。これはもう観るしかないとメルカリでDVDを購入。せっかくのDVDを部屋の小さなテレビで、隣の入居者の迷惑とならないように小さな音で聴くのはもったいない。そこで食堂にある大画面テレビで観ることができないか施設長にお願いしてみたところ、あっさりOKの返事がもらえた。

サービスの時間を利用して観ることになった。ポテチと煎餅とジュースを用意して準備万端。DVDプレーヤーにディスクをセットして、テレビの入力を外部入力に切り替える。始まった!

「あれ?」

何か違和感がるなと思っていたら視覚障害者のための音声ガイドが入っていたのだ。設定から通常音声に戻そうとするも、うまくいかない。食堂には複数のテレビとDVDプレーヤーがあるために手元には3つのリモコンが並び、どれが今観ているテレビのでどれがDVDプレーヤーのかさえ分からない。仕方がないのでしばらくは音声ガイド付きで観ていたが、それだと映像や台詞に集中できない。魘夢の術にかかかった炭治郎らが夢を見ている辺りで我慢できずにもう一度音声の設定にチャレンジしたところ、あれほど苦労しても消せなかった音声ガイドがあっさりと消えて通常音声に戻った。

列車と一体化した魘夢との戦い。テレビとはいえ大きな画面で観ると迫力がある。それにテレビで放映されていたアニメに比べてスピーディーに話が進んでいく。やっとのことで魘夢を倒したと思ったら、息つく間もなく猗窩座の登場。煉獄さんとの死闘もあれよあれよと思う間に終わってしまった。そして感動する間も無くエンドロールが流れる。

「あれ?」

エンドロールの流れるスピードがやけに速い。テーマ曲「炎」もなんか変。そこでやっと気がついた。

なんとほぼ全編を早見再生で観ていたのだ。通常音声に戻すときにリモコンをあちこち弄っている際に知らぬ間に早見再生になってしまっていたようだ。話の展開が早過ぎるし、炭治郎の台詞もめちゃくちゃ早口なのはなんか変だなとは思っていたが、エンディングまでそのまま観てしまうとは。感動もそこそこで、何だかすごく損した気分だ。サービスの合間に後ろを通っていたスタッフは違和感に気づいていたけれども、ワザと早見再生にしているのだと思っていたとか。教えてくれれば良かったのに。


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