特色ある住宅型老人ホーム



最初の施設での見学・体験入居の後、紹介センターの相談員さんにお願いして、だいたい1月に1カ所のペースで新しい施設を見学して回ることにした。

二番目に訪れた施設はサ高住ではなく、住宅型有料老人ホーム。しかし、職員の方の話によれば、介護認定を受けた高齢者だけでなく、自立を目指す障害者や子育て世代のシングルマザーも入居可能な福祉ハウスというユニークな試みに取り組んでいるとのこと。最初に見学・体験入居した施設と同じような多世代共生型で、同じ建物内に放課後デイサービスも併設していた。

三番目に訪れたのも住宅型老人ホーム。ここは介護医療体制が充実していて、24時間看護師が常駐し、筋ジストロフィーやALSといった疾患にも対応が可能で、そういった疾患を持つ患者は優先的に入居できるとの説明を受けた。また、大型スーパーや商店街が近くにあり買い物にも便利なことに加えて、高台にあるので居室からの眺めも良かった。

四番目に見学に訪れたのは自宅からほど近い有料老人ホーム。近いとはいっても市外になり、比較的小規模な施設なので紹介センターからの仲介がなければ候補にも上がらなかっただろう。ここは小規模ながらリハビリと食事が美味しいことをセールスポイントにしていて、館内にリラクゼーションルームを備え、入居者は無料でマッサージを受けることができるということだった。

以上3つの施設はどこも魅力的な特長を持っていて、なおかつ自宅からも近く、比較的小規模であるという点でも希望に沿った施設だった。しかし、残念ながらどの施設も満室で部屋を用意できない、あるいは元々体験入居は行なっていないという理由で体験入居は叶わなかった。

その施設の雰囲気や介護サービスなどは実際にそこで経験しなければ分からないところがあるので、ボクにとっては体験入居は入居する施設を決める上で絶対に欠かせない条件だった。そのため、残念ながらこれらの施設は候補から外すことにして、次からはこれまで選んでこなかった、自宅から少し離れたところにある施設や入居者数の多い大規模な施設も候補に挙げて見学に行くことにした。


サ高住 最初の体験入居

サ高住 体験入居

介護施設紹介センターの相談員さんが選んでくれた施設の中から、自宅から一駅と近く、入居者数が20人余りの比較的小規模な施設を選んで見学・体験入居をすることになった。

見学は紹介センターの相談員さんに同行いただいてまあ普通に終了。しかし、体験入居は良い意味で衝撃的だった。

そこは元は老人ホームだったのを地元で障害者福祉に力を入れているグループが引き継ぎ、サ高住として障害者を受け入れるようになったところ。そのために入居者は老人ホームだった頃からいる100歳になる超高齢者から最近入居した二十歳を少し超えたばかりの若い障害者までバラエティに富んでいた。

とにかく施設の雰囲気が明るくて、体験入居の間、スタッフだけでなく入居者の人たちからも本当にフレンドリーに接してもらえた。親子ほど年の離れた若い入居者も積極的に話しかけてくれたし、夕食時には同世代の入居者の人たちと昭和トークで盛り上がった。

これまでショートステイで特養を利用させてもらっていたが、そこでは食事の時に食堂で顔を合わせるだけで食事が終わるとそれぞれ自室に戻るといったように利用者同士の会話はほとんどなかった。おそらくどこのサ高住でも同じようなものだろうと思っていたので、こんな施設もあるのかと正直驚いた。

さらに、アットホームな雰囲気だけでなく、とても開放的であったのも印象的だった。午前中から入居者が通っている作業所の送迎の人やリハビリの先生、ガイドヘルパーさんなど外部の人の出入りも多い。特養は認知症の人も多いために閉鎖的になってしまうのはある程度仕方ないことではあるが、この体験入居は障害者施設や老人ホームは閉鎖的なものという思い込みを変えるきっかけとなった。

二泊三日の体験入居を終えて、正直このままこの施設に決定してしまおうかと思ったほどだった。しかし、ここ以外にも興味のある施設もあったし、元々一年ほどかけて出来るだけ多くの施設を見た上で決めるというつもりだったので、とりあえずこの施設は第一希望ということで保留にして、次の施設の見学に行くことにした。


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