失敗しない老人ホーム選びのポイント 3. 体験入居編


体験入居ではパンフレットに書かれた情報や見学の際の説明では分からない部分を確認することができるので、入居するホームを決める前には少なくとも一度は体験入居を行っておくことをお薦めします。

ここではいくつかのホームで実際に体験入居した経験をもとに一味違った切り口から体験入居の手順と確認すべきポイントについて説明します。


1. 体験入居の手順


多くのホームでは入居希望者を対象とした体験入居を実施しています。しかし、中には空き部屋がなかったりスタッフの負担が大きいことを理由に体験入居を受け入れていないホームもあるのでこの点は見学の際に確認することが必要です。

体験入居が可能なホームであれば大抵の場合見学の際に体験入居の予約をすることができます。一泊だけのところもあるようですが、スタッフが日によって変わることなどを考えれば少なくとも二泊三日以上が望ましいです。体験入居にかかる費用は二泊三日で平均1万5千円ほどです。

2. 体験入居中に確認すべきこと


2-1. 居室の環境


まずは日当たりや騒音といった居室の環境を確認しましょう。ただし、体験入居で用意された部屋は南向きで明るいけれども、実際に入居する部屋は北向きといったこともあるので、その辺りは注意が必要です。また、幹線道路に面していて夜中でもうるさいとかはもちろんですが、入居者の中には生活リズムが昼夜逆転して深夜に徘徊する人がいてその足音が気になるといったこともあり得ます。そういったことが気になる人は入居する部屋の階数や位置の希望をはっきりと伝えておきましょう。

2-2. 設備の使い勝手


居室の収納スペースは十分か、洗面やトイレは使い良いか、必要なところに手すりがあるかなどを確認しましょう。例えば、右手に麻痺があるのにトイレの手すりが右側にしかないというのでは困ります。また、車いすを使用している場合は洗面やテーブルの高さがあっているかどうかも重要です。

2-3. テレビ・通信環境


居室ではどうしてもテレビを観て過ごすことが多くなります。例えば、スポーツ観戦が趣味という人にとっては地上波だけでなく、BSが視聴できることは大きなメリットになります。さらに、ホームによっては受信料を支払えばケーブルテレビまで視聴できるところもあるようです。

また、家族との連絡に携帯電話を使うのであれば、使用している携帯電話のキャリアの電波状態もチェックしておきましょう。さらに、パソコンやスマホも使いたい場合にはモバイルWiFiを使うことになります。その場合には、どのキャリアの回線が繋がりやすいのかをスタッフの人に聞いてみるとよいでしょう。これまでに体験入居したホームの中にはWiFiが利用可能なところもありました。

2-4. スタッフや入居者とのコミュニケーション


ホームの雰囲気が一番よく分かるのはなんといっても食事の時間です。入居者が余裕をもってそれぞれの席について配膳までの間や食後に会話を楽しんでいるところもあれば、入居者が来た順に配膳され、食べ終わるとすぐに居室に戻されるといったところもあります。これはどちらが良いということではなく、どちらが合っているかで、アットホームな雰囲気を望むのであれば前者を、自分の生活ペースを大切にしたいのであれば後者のホームを選べばよいのです。

最後になりましたが、ホーム選びで最も重要なことはやはり人、つまりは毎日の介護にあたってくれるスタッフの方たちです。入居者の数に比べてスタッフが少なすぎはしないか、スタッフ間のチームワークは取れているかなどを確認しましょう。気が合ってなんでも相談できるスタッフがいるというのは心強いものです。体験入居の間にそのようなスタッフと出会えることができれば、入居を決める大きな要素になるでしょう。ただし、どこも人手不足でパートや派遣で来ているスタッフも多いので、いいスタッフがいるからこのホームに決めたのに入居後何ヶ月も経たないのにその人が辞めてしまったということもあり得ることを理解しておく必要があります。


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