ホームから入居の日取りが6月末に決まったと連絡があった。残り一ヶ月もないので急いでネットで引越し見積もりサイトを探し、見積もりを依頼した。データ入力から早いところで数時間後、次の日までには合わせて数社から連絡があった。
その中から3社を選びに引っ越し費用の見積もりのために下見に来てもらった。来られた方は皆さん親切で引っ越しの段取りや費用について丁寧に説明してもらえた。しかし、結果としてどことも成約に至らなかった。理由は電動介護ベッドの運送にあった。介護ベッドの部屋からの運び出しと軽トラへの積込みにはベッドを一度解体し、ホームで再び組み立てる必要がある。経験があればそれほど難しい作業ではない。それでも、万が一運送後にベッドに不具合が出た場合には責任が取れないので、介護ベッドだけは購入店に連絡して別枠で運んでほしいというのが3社の共通した対応だった。大手の引っ越し業者でホームページには介護ベッドの運送も可能と書かれていることもある。しかし、それは下請けの運送業者に経験がある場合にのみ可能ということらしい。
言われたように介護ベッドだけを専門業者に頼んで運んでもらうことも考えたが、もう一度、介護ベッド込みで運んでもらえそうな引っ越し業者を探してみたところ、老人ホームへの引っ越しを専門に扱っているところを見つけた。電話で問い合わせてみると、使用しているメーカーの介護ベッドの運送の経験もあり、特別料金もなしで軽トラ1台分の料金内で運びますということだったので、そこにお願いすることにした。
これで介護ベッドの件は解決したが、もう一つ思わぬ問題があった。月末は元々引っ越し件数が多くて予約が立て込んでいることに加えて、入居予定日の6月末は運の悪いことに大阪G20サミットと重なってしまうのだ。サミット会場となる市内からは離れてはいるものの道路事情がどうなるのかその時にならないと分からない。結局、とりあえず身一つで入居し、介護ベッドが届くまでの間、一週間ほど体験入居で使わせてもらったモデルルームで過ごしさせてもらうことになった。