コロナとポイ活のせいでゲーム廃人になりました

 



ブログの更新を一年以上も滞らせてしまった。その理由は体調不良だとかネタ切れといったものではなく、全てはいわゆる“ポイ活”にどっぷりとはまってしまったためなのだ。普段から時間を持て余していたところにコロナで外出もままならず、ホーム内での隔離生活が続いたことで何かせねばという思いからついポイ活に手を出してしまった。それからというもの、とにかく一日中少しの時間があればスマホを手に取ってゲームをするという生活が続いている。

いわゆるポイ活サイトでのポイントの貯め方としてはアンケートや買い物、サイト登録などに加えて、ゲーム案件と呼ばれるものがある。ゲームを新規インストールした後、指定のレベルまでプレイすることでポイントが貰えるというものだ。ゲーム案件は数百円、ものによっては数千円相当のポイントが貰える。ボクのようなホームで暇を持て余している高齢ニートにとっては時間も潰せるうえに小遣い稼ぎもできるという一石二鳥の代物である。

しかし、高額のポイントが貰えるだけあって指定期限内にミッションを達成するのはそう簡単ではない。多くの場合、少なくとも一日に数時間それも効率よくプレイしなければ期限内に達成できないような絶妙なレベルが指定されている。また、報酬対象になるのは初めてインストールしたゲームに限られるので、当然初見のゲームをプレイすることになる。

したがって、ゲームにあまり馴染みのないポイ活民はポイ活案件ゲーム専用の攻略サイトを参考にしながらプレイを進めていくのだが、これらの攻略サイトを運営しているのはあらゆるゲームに精通したいわゆる“ガチ勢”の人たちである。そこには30日以内の期限のゲーム案件を1週間で達成したとか、10日で達成する方法など書かれているが、ゲームにそれほど詳しくない、新しいことを覚えるのが苦手な高齢者がそんなにうまくいくことは滅多にない。そして、どうしてもミッションを達成できそうにない時には「課金」という禁断の秘薬に手を伸ばしてしまうことになる。

ほとんどのゲームでは序盤にビギナー向けの特典プランがあってそれに課金すれば比較的楽にミッションを達成できるが、ポイントを貰うためにプレイしているのにそれに課金するのは本末転倒と考えている無課金勢は相当な時間と労力を費やさねばならない。それでも途中でレベル上げが苦しくなり、ミッション達成が難しくなってきた時には、ここまで頑張ってきたのにここで諦めるわけにはいかないという思いが強くなる。いわゆる"損切り"ができないというやつである。となれば課金に頼ることになるが、その時には既にビギナー特典は終了しておりミッション達成のためにはより多くの課金が必要となる。そして一旦課金したゲームは心理的にアンインストールするともったいない気がしてミッション達成後もプレイし続けてしまう。また、課金していなくても長時間プレイしていると育成したゲームキャラに情が移ってやっぱりゲームを続けてしまう(※ソースはボク)よくできたシステムである。

かくして、今や「ミイラになったミイラ取り」、「海老に釣られた鯛」あるいは「虎穴に押し入ってまんまと虎に食べられてしまった無能の人」状態である。ただ、まだ救いがあるのは月に数万円もをゲームにつぎ込む廃課金者にまでは堕ちていないところだ。なんとかここで踏みとどまりたい。しかし、この先どうなることか。暇を金に変える目的で始めたはずなのに、ゲームに嵌りやすい性格だからソシャゲには手を出さないと決めていたはずなのに、今朝も目が覚めたら真っ先にゲームを立ち上げ、ログイン報酬のためのルーティーンをこなす作業から一日が始まった。それもこれもみんなコロナのせいだ!そうに違いない。



ホームの食堂で観る鬼滅の刃




今や社会現象とまでなっている「鬼滅の刃」ですが、それを知るきっかけとなったのは一年ほど前に若いスタッフからとにかく面白いから観てみてと勧められてアマゾンプライムで配信されていたアニメを観たのが最初だった。とにかく映像が綺麗なアニメだなというのが第一印象だったが、内容はかなりグロい。しかし、そのグロさの中に可哀想要素が上手く盛り込まれているところがこれほどの人気となった理由の一つなのだろう。まぁ禰豆子ちゃんも可愛いし、取りあえず嵌った。

その鬼滅の刃の劇場版「無限列車編」も観に行こう行こうと思っているうちに新型コロナでの緊急事態宣言が出されたりしたこともあって結局行けなかった。そうこうしているうちにテレビアニメの二期「吉原編」も近いうちに始まるという。これはもう観るしかないとメルカリでDVDを購入。せっかくのDVDを部屋の小さなテレビで、隣の入居者の迷惑とならないように小さな音で聴くのはもったいない。そこで食堂にある大画面テレビで観ることができないか施設長にお願いしてみたところ、あっさりOKの返事がもらえた。

サービスの時間を利用して観ることになった。ポテチと煎餅とジュースを用意して準備万端。DVDプレーヤーにディスクをセットして、テレビの入力を外部入力に切り替える。始まった!

「あれ?」

何か違和感がるなと思っていたら視覚障害者のための音声ガイドが入っていたのだ。設定から通常音声に戻そうとするも、うまくいかない。食堂には複数のテレビとDVDプレーヤーがあるために手元には3つのリモコンが並び、どれが今観ているテレビのでどれがDVDプレーヤーのかさえ分からない。仕方がないのでしばらくは音声ガイド付きで観ていたが、それだと映像や台詞に集中できない。魘夢の術にかかかった炭治郎らが夢を見ている辺りで我慢できずにもう一度音声の設定にチャレンジしたところ、あれほど苦労しても消せなかった音声ガイドがあっさりと消えて通常音声に戻った。

列車と一体化した魘夢との戦い。テレビとはいえ大きな画面で観ると迫力がある。それにテレビで放映されていたアニメに比べてスピーディーに話が進んでいく。やっとのことで魘夢を倒したと思ったら、息つく間もなく猗窩座の登場。煉獄さんとの死闘もあれよあれよと思う間に終わってしまった。そして感動する間も無くエンドロールが流れる。

「あれ?」

エンドロールの流れるスピードがやけに速い。テーマ曲「炎」もなんか変。そこでやっと気がついた。

なんとほぼ全編を早見再生で観ていたのだ。通常音声に戻すときにリモコンをあちこち弄っている際に知らぬ間に早見再生になってしまっていたようだ。話の展開が早過ぎるし、炭治郎の台詞もめちゃくちゃ早口なのはなんか変だなとは思っていたが、エンディングまでそのまま観てしまうとは。感動もそこそこで、何だかすごく損した気分だ。サービスの合間に後ろを通っていたスタッフは違和感に気づいていたけれども、ワザと早見再生にしているのだと思っていたとか。教えてくれれば良かったのに。


新型コロナで中国歴史ドラマに嵌る

 

新型コロナで外出もままならず、ホーム生活はただでさえ退屈だというのに、さらに時間を持て余すようになってしまった。そんな時の時間潰しにぴったりなのが中国歴史ドラマだ。平均して50話以上あり、一日に2話づつ観たとしても一つのドラマを見終わるまでにほぼ一ヵ月ほども楽しめる。セットも衣装も豪華だし、出演している役者も美男美女揃い。アマゾンプライム(アマプラ)でも数多く配信されている。今これを観ない手はない。21年6月末現在アマプラで無料で観ることのできるドラマの中からオススメの3作品の個人的感想を書いてみた。


琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、 風雲起こす~

★★★★★

とにかく脚本が素晴らしい。綿密に練られたストーリーに片時も目が離せない。中国版エミー賞を受賞しただけのことはある。しかし、人間関係や宮廷内の組織の複雑さなど難解な部分が多く一回観たくらいではこの作品のもつ本来の面白さの半分も堪能できないだろう。そもそもタイトルになっている琅琊榜が何なのかが分からない。本編を観てもいまいちよく分からない。調べてみると琅琊というのは現在の山東省辺りを示す地名で、榜は立看板のこと。つまり琅琊榜とは琅琊にある格付け機関の琅琊閣が公表するランキングで今風に言うとオリコンやミシュランみたいなもののことらしい。

ストーリーは謀反の罪を負わされ、死に追いやられた一族と配下の赤焔軍の名誉回復と皇帝の後継争いを絡めた復讐劇なのだが、そんなにドロドロしていない。むしろ随所にある感動的なシーンが心に残る。その感動をより深いものにするためにも、この作品は二度三度観てほしい。わざわざそんなことを言わなくても全話観終わった後、きっともう一度観たくなるに違いない(だろうと思う)。背景を理解した上で観る二週目はさらに面白い。三週目にはこれまで見逃していた伏線を見つけたり、役者の表情や目線の僅かな違いに込められた意味が分かったりしてもっと面白い。そんな作品なのだ。


風中の縁

★★★

琅琊榜で主演したフー・ゴーが出ているというので観てみた。訳ありの美女を身分の高い二人の男が奪い合うという中国時代劇では定番となっている筋立て。琅琊榜と同じくここでもフー・ゴーは障害のある、石舫(豪商)の主人、九爺(きゅうや)という設定。自らが置かれた立場と障害故に愛する人に想いを伝えることができず、ようやく胸の内を告白するも時すでにお寿司。そして最期は愛する人の幸せのために・・・という切ない系ラブストーリーでもある。もちろん中国歴史ドラマではお約束となっている宮廷内の争いや復讐といった要素ももれなく含まれている。

このドラマでいい味出しているのが脇役の人たち。九爺の側近の石謹言(せき・きんげん)演じるワン・チュンユェンはこの他のいくつかのドラマにもキーパーソンとして出演している、いわゆる"中国時代劇でよく見る人"の一人だ。小太りの憎めない風貌のわりには結構強いのだが、何故かいつも最期は死ぬか殺されてしまう役柄が多い。もう一人は、ヒロイン莘月(しんげつ)が身を寄せることになる落玉坊の女将、紅姑(こうこ)。人情味があって男気?もある、いかにも歌舞坊の女将という感じの役どころ。声が似ているのか雰囲気なのかこの人が出てくる度に何故かタレントの清水ミチコが頭に思い浮かんだ。出演している中国の役者を日本の役者に例えて脳内で変換してみるのも中国ドラマの楽しみ方の一つだと思う。


「三国志-Secret of Three Kingdoms(三国機密)」

★★★★

一番最近観た作品。もし漢の献帝(劉協)が〇〇だったなら、もし劉協と司馬懿の関係が〇〇だったならという設定で描かれた本家中国版の新解釈三国志。このドラマを十二分に楽しむにはいわゆる正統派三国志の予習が必要だ。三国志に書かれた史実を知ってこそこのドラマの意外性が引き立つといえる。蜀を中心に書かれた三国志演義とは違って、魏が中心の話なので孔明も関羽も呂布も出てこない。しかし、三国志演義では枠役扱いだった郭嘉や荀彧が重要な人物として登場するのでこれはこれで面白い。

ストーリーは本当によくできているし、映像も綺麗で申し分ない。ただ、キャスティングがちょっといただけない。皇后の伏寿役のレジーナ・ワンは美しいが、皇帝の劉協との見た目の年齢差がありすぎ。司馬懿と唐瑛もそう。曹操にもがっかりした。三国志の英雄なのに最初に登場したときは「えっ、これが曹操?」と思ってしまったほど。もうちょっと何とかならなかったものか。

それでも邦画の「新解釈・三國志」の100倍は面白いと思う。そっちは観てないけど。また、司馬懿をメインにした「三国志~軍師連盟 司馬懿~」というドラマもあって、この作品で曹丕役だったタン・ジェンツーと荀彧役だったジーン・オウがそれぞれ司馬懿の息子・司馬昭、曹操の息子・曹植で出演しているのでそれもまた見てみたいものだ。


オンクレに嵌る ただし無課金

 


去年からオンラインクレーンゲーム、いわゆるオンクレというのをやり始めた。オンクレ自体は数年前からあったらしいが、新型コロナによる巣ごもり生活にマッチしたのかタイトーやセガといった大手だけでなく、今や10近くの業者が参入している。取っ掛かりは、auのスマートパスプレミアムに加入していればスペシャルログインポイントが貰えて、週に2、3回ほど無料でプレイできるサイトがあったから。物は試しとやってみたらビギナーズラックなのか数回目のチャレンジでフィギュアを獲得することができた。

プレイしたのはたこ焼き台と呼ばれる機種で、文字通りたこ焼き器のような台が下に置かれている。そこにアームで掴んだピンポン球を上から落として運良く焼き台の凹みに一つだけある当たり穴にピンポン球が着地すれば景品獲得となるというシステムである。一般的な二本の棒の上に置かれた箱をアームで少しずつ動かしながら下に落とすタイプの機種に比べれば、全くテクニックを必要としない、初心者向けの機種だ。



その後もたこ焼き台ばかりだが、ポコポコとフィギュアが獲れた。送られてきたフィギュアを居室に飾っておくと、スタッフから「何?可愛い。えっ、ゲームで取ったの?すご~ぃ!」などと煽てられたりもした。しかし、フィギュアをただ並べて飾っておくだけでは面白くないのでレイアウトをちょっと変えて遊んでみた。ナンパしようとRe:ゼロの猫レムに声を掛けるヒロアカの轟焦凍。しかし、耳を塞いで聞こえないふりをして足早に通り過ぎようとす猫レム。偶然その場面を目撃して驚く今カノの水着レムという修羅場を再現してみたのだが、「クールな轟くんのイメージが壊れる」と一部のスタッフからは不評だった。

オンクレで他の人がプレイしているのを観ていると2、3千円のフィギュアを獲るのに沼って数千円分のコインを注ぎ込んでいる場面に出くわすことも多い。確かに全然割りに合わないことは分かっているが、途中でやめられない気持ちも分からないではない。ゴトン病というのだそうだ。自分もそうなりそうで怖くてとても課金はできない。と、思っていた。しかし、海外のオンクレに課金してしまった。怪しいのは分かっていたが、新型iPhoneや希少フィギュアといった魅力的な景品とゲーム自体の面白さに負けてしまった。『キャンペーンでプレイコインが大幅値下げ!』の謳い文句にのせられて課金した数日後、購入したプレイコインはほぼ手付かずのまま残った状態でサイトに繋がらなくなり、アプリもストアから消えてしまった。

「やられた。」((((;゚Д゚)))))))

まさか突然飛ぶとは。自分だけはネット詐欺になんて引っかからないと思っていたので、かなりショックだった。幸い、返金請求が認められて課金した分の大半がアップルから戻ってきたものの、今後オンクレに課金はしないと心に誓った。



最近手に入れた、Fateというゲームキャラの葛飾北斎ちゃんを連れて京都祇園四条の巽橋と辰巳神社まで行ってきた。桜がもう終わりかけていて観光客は少なかったが、京都屈指の撮影スポットでいい歳をしたおじさん二人がフィギュアを前に「もうちょっと右」とか「もっとアップで」とか言いながら写真を撮っている様はちょっとイタい光景に映ったかもしれない。わがままに付き合ってくれたガイドヘルパーさん、本当にありがとうございました。


トレーナーをリフォームしてみた


 

障害を持って困ることの一つに身体の変形や手足の関節の拘縮などで衣服の脱ぎ着がしづらくなることがある。自宅にいるときは運動やストレッチにもなると思って自分で着替えていたが、ホームに入居してからは着替えはほぼ全てスタッフに介助してもらっている。これで随分と身体の負担は減り、楽になった。しかし、その分、衣服選びの基準はデザインがどうのとか色がどうのとかよりもより脱ぎ着の介助をしてもらいやすいことに重点を置くようになった。そういった脱ぎきしやすいと思われる衣類は主にネット通販で探すのだが、なかなか見つからないのが悩みとなっている。

ホーム内では上着はポロシャツを着ることが多い。なのでポロシャツを購入する時はなるべく伸縮性の良い素材で脱ぎ着が楽なものを選んでいる。伸縮性のあまりない生地だと腕や首を抜く時に窮屈になってスタッフから「大丈夫?痛くない?」といらぬ気を使わせてしまうことがあるからだ。問題は、ズボンである。特にウエストのゴムだ。ウエストのゴムは緩い方がいい。緩くても立って歩くわけではないのでずれ落ちるという心配はない。それにボクの場合、トイレ介助では便座に座ってから脱がせてもらうという形なのでできるだけウエストが広がる方がやりやすいのだ。

しかし、最近のジャージやスエットはどれもゴムが生地に縫い付けてあり、簡単に交換することができないようになっている。そのため、ウエストのゴムを替えようと思うと一旦全部解いてからもう一度縫い合わせるという鬼面倒くさい作業が必要になる。それではと、これをリフォーム専門店に持ち込んでやってもらうとなると元のジャージ以上の値段になってしまう。

しかし、捨てる神あれば拾う神あり。世の中には困っている障害者に手を差し伸べてくれる心優しい人たちもいるのだ。今住んでいる地域には介護が必要な人の衣料のリフォームを実費程度の料金でやってもらえるスーパー有難いボランティアグループがあり、これまでにもウエストゴムの交換だけでなく、ジャージタイプのズボンに前ボタンを付けて前の開くイージーパンツ風へのリフォームでもお世話になったことがある。



今回は、お気に入りのトレーナーを簡単に脱ぎ着できるように、その両脇から袖にかけて大きく開くように長めにファスナーを付けてもらうといった大胆なリフォームをお願いした。こうすると頭から被った時にファスナーで開いた両脇から腕を出すことができ、その後、手首だけを袖に通し、ファスナーを閉じると着衣完了となる。このやり方だと袖に腕を通すという作業がないので着るときに肩や肘の関節にほとんど負担をかけることがないだろうし、脱ぐときはファスナーを開いた後、両方の手首を抜けば、裾からたくしあげて頭を抜くだけでOKのはず。

実際に、この改造トレーナーを試してみたところ、確かに肩や腕を無理に曲げたり伸ばしたりすることなくするっと脱ぎ着することができた。介助してもらったホームのスタッフによれば、着る時にあちこちが開いているのでどこに腕を通せばいいのかパズルのようでちょっと戸惑うけれども慣れれば大丈夫。それに脱がす方はとっても簡単になったと言ってもらえた。思いつきでリフォームしてみたが、結構うまくいったみたいだ。上着の着脱に苦労しているという人は是非このリフォームを試してほしい。








ホームで迎えた二度目のお正月

 


ホームで迎えるお正月もこれで二度目となった。今年は新型コロナの影響で実家に帰る利用者も少なく、いつもと変わらない朝の風景。ただ、朝食だけはお正月らしくテーブルにはお雑煮とオードブル的なミニおせちが並んだ。おせちの中身は数の子や黒豆、それに蒲鉾など。お正月らしくていいんだけれども、どれもご飯のおかずにはならないものばかり。ご飯の代わりに金箔入りの日本酒でもあれば申し分ないのに、流石にそういう訳にはいかないのが辛いところだ。

お雑煮は関西風の白味噌仕立て。しかし、喉に詰まらせてしまう恐れがあるので、お餅は入っていない。その代わりに、餅的な謎の食材が使われていた。それは白い円筒形をしていて、食感はコメのつぶつぶ感のないきりたんぽに近い。気になったので、ググってみるとどうやら「やわらか福もち」という商品のようだ。うるち米と米粉こねたものを細いビニールチューブにパウチしてあり、見た目はほぼ白いウインナーソーセージである。餅の代替食材として介護現場では割と良く使われているものらしい。



昼食もまたお雑煮とおせち。それに白米ではなく、赤飯という取り合わせ。おせちには海老やブリの照り焼きもあって、朝食のよりもちょっと豪華になっていた。しかし、やっぱり日本酒が恋しい。他のホームでの勤務経験のあるスタッフによると、以前に勤めていたホームでは大晦日は自立している入居者が食堂でお酒を囲んで紅白を観るなんてことが許されていたのだとか。そこは少人数のユニット型ということで、スタッフの目が届きやすく入居者との信頼関係もあるのだろう。羨ましい限りである。結局、お酒を飲んだのは自室に戻ってから。アテは柿ピーとYouTube。70年代、80年代の紅白の動画を観ながらチビチビやるのも案外悪くない。やっぱジュリーは最高だわ。


ベッド周りの便利グッズ

 今、入居しているホームのすぐ向かいにスーパーがあり、おやつや日用品の買い物にとよく利用している。そのスーパーに最近100円ショップが広くなってリニューアルオープンした。元々あった100円ショップは狭くて店内まで車椅子が入ることができず、正面に陳列されている商品以外は自分で見て確認して買うことができ辛かった。それが通路も広くて商品も見やすいレイアウトになったので、買い物終わりにちょっと寄って便利そうなアイテムを探すのが楽しみの一つに加わった。

今回は、これまでに100円ショップで購入したものの中から、こんな風に使うことでベッド周りが便利になったグッズを紹介する。


◆ ウォールポケット

かわいいアニマル柄の小さなウォールポケット。本来は2、3個縦につなげて壁にぶら下げて使うものだが、それをベッド脇にぶら下げて軟膏や呼吸器のマスク装着時に使う傷テープなどを入れている。あと、まくら脇に置くと邪魔になる、普段はあまり使わないリモコンなどを収納しておくにも便利。ただ、ベッドから車いすへの移乗の時に時々車いすに引っかかってしまうのが難点だ。


◆ どこでもペタっとゴミ袋

ポリ袋の縁に粘着テープが付いていてデスクの横などに貼り付けて使うゴミ袋。袋部分に水切り用の穴が開いていて台所のシンクで使う生ゴミ用のと穴のない一般用の2種類がある。これをベッドの柵に貼り付けてティッシュや体拭きを捨てるのに使っている。上の画像のは台所用の穴あきタイプだが使用に問題はない。


◆ ポーチ型ウェットティッシュケース

ホームでは毎日お風呂に入れる訳ではない。部屋が暑かったりして汗をかいたので、寝る前にちょっと身体をさっぱりさせておきたい時用に枕元に市販の身体拭きシートを置いてそれを使っていた。しかし、見栄えも悪いし、使っているうちに蓋のシールがしっかりと閉まらないために最後の方はシートが乾燥してしまうという欠点があった。

かといって、枕元にボックス型のウエットティッシュケースを置くスペースはもうない。すでにテレビ、エアコン、天井灯のリモコン、ナースコール、スマートフォン、ミュージックプレーヤー、さらにティッシュボックスもあり、それだけでもカオス状態になっているのだ。

そんな時に見つけたのがポーチ型ウェットティッシュケース。身体拭きのシールを剥がしてそのままポーチの中に入れるだけ。身体拭きをそのまま置くよりも見た目もいいし、何よりシートが少なくなってきても乾燥しないのがいい。女性スタッフにも「何これ?かわいい」「便利そう、私も欲しい」と好評だ。



終活と断捨離とメルカリと

 


ホームに入居して一年を過ぎたというのにまだ部屋には片付いていない段ボールがあり、実家には引っ越しで運びきれなかった荷物も残っている。

その大半が趣味で集めた文房具やカメラ関連機材。ほんの一瞬だったけどアフィリエイトで濡れ手に粟の不労所得が転がり込んできた時期があり、調子に乗って楽天やヤフオクで買い漁ってしまった。なので、一つ一つに思い入れがあってどうしても手放せないなどということはなくて、もし気に入って使ってもらえるのなら、そういった人に譲りたいというかできれば買ってもらいたいと思っていた。

これまでは使わなくなったアイテムはヤフオクに出品していたけれどもたまにしか使わないのでYahooプライム利用料がネックだった。それに、最近はヤフオクよりもメルカリの方が売れやすいらしいし、利用料もかからないのでそっちに出品することにした。終活の一環としてコレクション整理にメルカリを利用する高齢者も増えているらしい。

まず、一つ二つ安いものを購入してシステムを理解した後、いよいよ出品。最初なので取り敢えず売れそうなものをいくつか選び、販売価格は安めに設定した。出品後、次々と『いいね!』はもらえたものの一向に購入されない。『いいね!』は“欲しい”ではなくて、“もうちょっと値段下げて”の意味だと分かったのはしばらくしてから。それでもちょこちょこ売れて、「良かった」の評価も増えてきたのでいよいよ本格的に出品しようかと思っていたときにちょっとしたアクシデントが!システム手帳の購入者からこんな評価コメントをもらってしまった。

写真では、革製品のように見せていましたが、現品は合皮製で、しかも、金具が剥がれています。多少の傷どころか使用できないゴミ。メルカリならではの出品者です。
全く心当たりのないデタラメ。一体何が気に障ったのだろう?ヤフオクでも100回以上の取り引き経験があるけれども、こんな評価をもらったことはなかった。メルカリをやっていると時々クマに出くわすことがあるとは聞いていたが、突然トラに襲われたよう。さすがにこれを見たときは心が折れて、しばらくの間全ての出品中のアイテムを公開停止にしたほど。

とは言っても、今さら人の減ったヤフオクに戻るわけにもいかず、新たにアカウントを取り直すのも面倒くさいので、スネに傷持つアカウントで今も少しづつ出品を続けている。それにしてもなかなか売れない。ダンボールが片付くのはまだだいぶ先になりそうだ。


コロナ給付金が人をダメにする?




タブレットを無事設置することができて次はパソコンっと、電源を入れ、パスワード入力でいつもの画面。しばらく使っていなかったので未読メールの整理をしないと思っていつものメールソフトを立ち上げたものの、あれ?ネットに繋がらない。

何故かWiFiに接続できていないようだ。スマホで調べた解決法をいろいろ試したり、メーカーのサポートに連絡したりしたけれどもどれもダメ。それではとフリーWiFiが使える近くのコンビニにパソコンを持ち込んだりしたもののそれでもダメ。パソコンを初期化して再設定するか、それとも新しいパソコンを購入するかのどちらかしかない模様。

使用していたWindowsのバージョンのサポートも終わるようなので、思い切って新しいパソコンを購入することに決めた。将来、ベッドにアームで固定して寝ながら操作ができるようにとタブレット型かディスプレイ部分が分離できる2in1タイプのものを探して、最終的にASUSの安い2in1タイプのにした。

趣味でやっている音楽や動画の編集なんかはWiFiに繋がっていなくてもできるのでそのまま旧機で、ネットショッピングや銀行のオンライン取引は新機でと使い分けていた。それが一年前のこと。

最近は動画編集などの時間のかかる作業を机の前に座って続けるのが少し辛くなり始めてきた。普通の人は負荷をかけた運動で筋肉細胞が壊されてもより強い筋肉に再生されるのだが、筋ジス患者の場合は筋肉疲労で筋肉細胞が損傷してしまうと再生されにくく、萎縮が進んでしまうと考えられている。

これ以上体に負担をかけないためにベッドに寝たままでもパソコンを操作できるようなアームスタンドを使うことも考えないといけない時期かもしれない。先月、年に一度の経過観察入院の際にも作業療法士の先生ともそんな話をしてワイヤレスのトラックボールやリングマウスを試用させてもらった。

しかし、それをしてしまうとますますベッドで過ごす時間が増えて、動かなくなることで筋肉が痩せたり、関節の拘縮が進んでしまうのではというジレンマもある。それにベッドに取り付けるタイプのアームスタンドは人をグータラにしてしまうことから『ダメ人間製造装置』とも呼ばれているらしい。でもまあ10万円の臨時収入もあったし、楽したいし、付けてしまうんだろうなぁ。コロナ給付金でまた一人ダメ人間ができあがりそうだ。


引っ越しとベッドサイドタブレット



もうすぐホームに入居して一年になろうとしている。もう一年になるのかというのが正直な感想だ。一年前の引っ越しの際には、引っ越し業者がなかなか決まらなかったり、日にちが大阪のG20と重なったりといろいろあったものの、引っ越し自体はまあまあスムーズに終えることができた。

引っ越しの荷物はちょうど軽トラ一台分。事前にタイルカーペットを敷いたり、カーテンを取り付けたりととりあえず準備は済ませておいたので、荷物の搬入から、ベッドの組み立てとセッティング、ラックや衣装ケースの配置もテキパキと進み、1時間もかからずに終了。10個ほどの段ボールの蓋を開けるのもさておいて、最初にしたのはベッドサイドへのKindleタブレットの取り付けだ。

老後の楽しみにと撮り溜めた大量のDVDも持ってきていたが、それを観ようにも新しい部屋にはまだテレビがない。持て余すほどある暇な時間をやり過ごすためには当分の間このタブレットとAmazonプライムビデオだけが頼りなのだ。



タブレットはショートステイ用に購入したもので、ショートステイの間はradikoや取り込んだ音楽を聴くのに使っていた。しかし、ショートステイ先では何故かradikoの位置認証が上手くいかず関東のラジオ局しか聞くことができなかった。もしかしたらこのホームでも、と心配していたが、radikoを起動して見ると無事選局画面に地元大阪の放送局が表示されホッとした。

平日は朝から夕食前までFM COCOLOをつけっぱ、そして週末になるとradikoのタイムフリー機能でFM OH!のしゅくちゃんのMarché CoucouとキヨピーのLOVE FLAPを聴くというほぼ自宅にいる時と変わらない生活スタイルをホームでも送れるようになった。FM COCOLOはリスナーも同世代の人が多く、かかる曲も80年代、90年代のものが中心なのでBGM代わりに聴くにはぴったりなのだ。ヒロさんがリタイヤされたのは残念だけれどもコングさんもメメさんも安定の心地よさ。

ショートステイでは居室にテレビがあったのでわざわざタブレットでビデオを観ることはなかった。しかし、ホームにはテレビがまだなく、夕食後部屋に戻ってから就寝までの時間潰しはもっぱらAmazonプライムビデオのお世話になることに。

最初の頃はプライムビデオにある中国時代劇ドラマと孤独のグルメシリーズを片っ端から観ていた。中国時代劇ドラマはセットも豪華で女優さんも綺麗な人が多いので自宅にいる時からケーブルテレビのチャンネル銀河などで放送されているのをよく観ていた。プライムビデオにもまだ観たことのないのが結構登録されていたのでテレビを買うまでの間の時間潰しには十分だった。



最近、スタッフさんから面白いよと「鬼滅の刃」を教えてもらった。この歳で今更アニメとも思ったが、一話、二話と観ているうちにどっぷりハマってしまった。今では、若いスタッフさん達と『どの柱が好き?』などと鬼滅談議を楽しんでいる。


春なのに‥コロナのせいで




今年は二月三月が異常に暖かく、桜の開花も早くて入学式の頃には散ってしまってるんじゃないかと言われていたけれど、蓋を開けてみれば開花は例年よりも少し早かったくらいで、その後も雨や強風で散ってしまうこともなく、満開の桜を楽しめる期間も長かったはずなのに、何もかもがコロナのせいでもうめちゃくちゃ。

新型コロナの感染拡大が心配されるようになってからホームでの生活がどのように変わったか、変わっていないことも含めて書いていきます。

まずは外からの人の出入りが制限されるようになったこと。エントランスには以前から消毒液が置かれていたもののあまり使う人はいなかった。これがコロナ後は入館の際には必ず消毒液で手指の消毒をしてもらうようになり、非接触タイプの体温計での体温測定も決まりとなった。それに不要不急の外出は自粛するようにという要請が相まって入居者の家族さんの面会もめっきりと減り、家族さんの差し入れなども入り口の事務所に預けて会わずに帰るといったこともあるようだ。

さらに、先月からは入居者のデイサービスの利用も中止されている。デイサービスには各所のホームから利用者が集まるので、そこがクラスター化すると連鎖反応的に地域のホームに感染が拡大する可能性があるので致し方ないとしても、単調なホーム生活でデイサービスを楽しみにしている入居者も多いので長期にわたっての中止となれば、それはそれでストレスの要因になるのではという気がする。

入居者だけでなく、いやそれ以上にコロナの影響を受けているのがホームで働くスタッフの人たちだ。スタッフの中には小学生以下のお子さんのいる人も多い。学校が休校となって昼間お子さんの面倒を見てもらえる人が見つからなければ休まざるを得ず、その分出勤しているスタッフの負担が増すことになってしまう。ただでさえ人手不足なのに本当にギリギリで持ち堪えている状態だ。

とはいえ、入居者に影響が出ないように頑張ってくれているスタッフの皆さんのおかげでホーム内での日々の暮らしは食事前の手の消毒が義務付けられたくらいで特に変わっていない。

外出支援でも、電車やバスといった公共交通機関を使っての遠出は流石にできないが、すぐ近所にあるスーパーへの買い物はこれまで通り可能だ。しかし、スーパーのレジ待ちの列はいわゆるソーシャルディスタンスとかで間隔を取るように決められていて、レジ打ちの店員との間に透明のビニールが貼られるようになった。そんなこともあってスタッフの方に買い物代行を頼むことが増えた。

こんな状態がいつまで続くのか、暖かくなることでインフルエンザと同じようにウイルスの活動も治ることを願うばかりだ。来月にでも支給される(だろう?)10万円の給付金目当で、何を買おうかAmazonや楽天のサイトを徘徊することだけが楽しみな今日この頃である。


失敗しない老人ホーム選びのポイント 4. ローカルルール編


老人ホームの中でもサービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住と呼ばれるところはホームごとに様々な特徴があります。中にはパンフレットやホームページには書かれていないホーム独自のルールを定めているところもありました。これまでに見学などで実際に見聞きしたユニークなルールをいくつか紹介します。


1. 喫煙可・飲酒可


サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住では喫煙スペースが設けられていたり、居室中での飲酒が認められているところも結構あります。他の入居者の迷惑にならなければ、長年続けてきた習慣を辞めさせるのはかえって良くないということでしょうか。

2. ペット同居可


実際に見学に行ったホームにはありませんでしたが、取り寄せたパンフレットの中にはペットとの同居可能なホームがありました。長年一緒に暮らし、心の支えにもなっているペットと共に残りの人生を送りたいというニーズに対応したサービスといえるでしょう。それだけでなく、アニマルセラピーの考えを取り入れ、ホーム自体がペットを飼っているところもあるようです。

3. 備品は全てレンタルで


ベッド、テレビ、冷蔵庫、タンスなど部屋の備品のほぼ全てについて私物の持ち込みが禁止され、指定の業者からのレンタルの利用に限られるといったホームもありました。いわゆる囲い込みの一種なのでしょうが、そこは家賃が他に比べて安くなっていました。他のホーム、例えば特養の空き待ちのための短期入所と考えるのならば、こういったところもいいかもしれません。

4. 冷蔵庫持ち込み禁止


これまで見学に行ったホームの中で1カ所だけですが、居室への冷蔵庫の持ち込みを禁止しているところがありました。話によれば、光熱費は一律負担なので電気消費量の多い冷蔵庫の持ち込みを認めると使っている人とそうでない人に不公平が生じるからというものでした。それ以上は聞きませんでしたが、本当のところは高齢者は食べ残したものでも冷蔵庫にさえ入れておけば永久に保存できるかのように思って賞味期限を過ぎた食べ物でも平気で食べてしまうのを防ぐためなのではないかと思われます。

5. ナースコールに料金


ナースコール一回につき幾らかの料金がかかるというもの。最初に施設見学でこれを聞いたときには驚きましたが。訳を聞くとなるほどと納得しました。というのも、通常は当然のことながらコールは無料なのですが、一日に数十回の規定回数があって、それを超えると料金が発生するとのこと。居住者の中には大した用事がなくても昼夜を問わず日に何度もコールを連打する方がいたのだそう。コールがあれば行かないわけにはいかず、そうなると他の業務にも関わるということで、その予防的対策としてこういった規則を設けたという説明でした。実際にコールの回数を数えて料金を請求したことがあるのかどうかについては聞きませんでした。

6. 指定時間外のトイレ介助は別料金


あるホームでは排泄介助の時間が決められていて、それ以外の時にトイレに行きたくなった場合は原則として我慢するかオムツで対応し、どうしてもトイレ介助を望むのであれば、別料金で対応しますという説明を受けました。ちょっと驚いたけれども、そのホームは他のホームに比べてサービス利用料が安く、一日に一度程度なら指定時間外の利用料金を足しても高いというほどでもありませんでした。サービスの時間が決まっていればスタッフも働きやすいだろうし、トイレ介助が必要でない人にとっては利用料が安いという、双方にメリットがあります。どこのホームも人手不足で困っている今、利用する側としてはちょっと複雑なところもありますが、こういった介護士が働きやすいシステムもありかなと思いました。

失敗しない老人ホーム選びのポイント 3. 体験入居編


体験入居ではパンフレットに書かれた情報や見学の際の説明では分からない部分を確認することができるので、入居するホームを決める前には少なくとも一度は体験入居を行っておくことをお薦めします。

ここではいくつかのホームで実際に体験入居した経験をもとに一味違った切り口から体験入居の手順と確認すべきポイントについて説明します。


1. 体験入居の手順


多くのホームでは入居希望者を対象とした体験入居を実施しています。しかし、中には空き部屋がなかったりスタッフの負担が大きいことを理由に体験入居を受け入れていないホームもあるのでこの点は見学の際に確認することが必要です。

体験入居が可能なホームであれば大抵の場合見学の際に体験入居の予約をすることができます。一泊だけのところもあるようですが、スタッフが日によって変わることなどを考えれば少なくとも二泊三日以上が望ましいです。体験入居にかかる費用は二泊三日で平均1万5千円ほどです。

2. 体験入居中に確認すべきこと


2-1. 居室の環境


まずは日当たりや騒音といった居室の環境を確認しましょう。ただし、体験入居で用意された部屋は南向きで明るいけれども、実際に入居する部屋は北向きといったこともあるので、その辺りは注意が必要です。また、幹線道路に面していて夜中でもうるさいとかはもちろんですが、入居者の中には生活リズムが昼夜逆転して深夜に徘徊する人がいてその足音が気になるといったこともあり得ます。そういったことが気になる人は入居する部屋の階数や位置の希望をはっきりと伝えておきましょう。

2-2. 設備の使い勝手


居室の収納スペースは十分か、洗面やトイレは使い良いか、必要なところに手すりがあるかなどを確認しましょう。例えば、右手に麻痺があるのにトイレの手すりが右側にしかないというのでは困ります。また、車いすを使用している場合は洗面やテーブルの高さがあっているかどうかも重要です。

2-3. テレビ・通信環境


居室ではどうしてもテレビを観て過ごすことが多くなります。例えば、スポーツ観戦が趣味という人にとっては地上波だけでなく、BSが視聴できることは大きなメリットになります。さらに、ホームによっては受信料を支払えばケーブルテレビまで視聴できるところもあるようです。

また、家族との連絡に携帯電話を使うのであれば、使用している携帯電話のキャリアの電波状態もチェックしておきましょう。さらに、パソコンやスマホも使いたい場合にはモバイルWiFiを使うことになります。その場合には、どのキャリアの回線が繋がりやすいのかをスタッフの人に聞いてみるとよいでしょう。これまでに体験入居したホームの中にはWiFiが利用可能なところもありました。

2-4. スタッフや入居者とのコミュニケーション


ホームの雰囲気が一番よく分かるのはなんといっても食事の時間です。入居者が余裕をもってそれぞれの席について配膳までの間や食後に会話を楽しんでいるところもあれば、入居者が来た順に配膳され、食べ終わるとすぐに居室に戻されるといったところもあります。これはどちらが良いということではなく、どちらが合っているかで、アットホームな雰囲気を望むのであれば前者を、自分の生活ペースを大切にしたいのであれば後者のホームを選べばよいのです。

最後になりましたが、ホーム選びで最も重要なことはやはり人、つまりは毎日の介護にあたってくれるスタッフの方たちです。入居者の数に比べてスタッフが少なすぎはしないか、スタッフ間のチームワークは取れているかなどを確認しましょう。気が合ってなんでも相談できるスタッフがいるというのは心強いものです。体験入居の間にそのようなスタッフと出会えることができれば、入居を決める大きな要素になるでしょう。ただし、どこも人手不足でパートや派遣で来ているスタッフも多いので、いいスタッフがいるからこのホームに決めたのに入居後何ヶ月も経たないのにその人が辞めてしまったということもあり得ることを理解しておく必要があります。


失敗しない老人ホーム選びのポイント  2. 見学編


取り寄せたパンフレットに書かれた内容を比較し、その中から希望する条件に合うホームを選んだところで、いよいよ見学の申し込みということになります。ここでは見学の手順や注意すべきことについて説明します。


1. 希望条件の優先順位の決定・質問事項の確認


見学に行く前にしておくべきことがあります。それはホームを選ぶ上で希望する条件の優先順位を決めておくことです。立地なのか費用なのか、それとも設備やサービスなのか、100%希望通りのホームに出会えるなどということはまずありません。どの条件を優先し、どこなら妥協できるのかを 決めておかないと見学に行ってもホームの説明を聞くだけで終わってしまい、いつまでも入居するホームが決まらないということになってしまいます。

もう一つは絶対に譲れない条件をはっきりさせておくこと。ボクの場合は、自宅で使っていた超低床タイプの電動ベッドを持ち込めることと夜間に人工呼吸器を使用できることの二つが絶対条件で、見学の時に必ず確認するようにしていました。大切なことは聞き忘れることのないようにメモしておくのに加えて、見学に行く前に同行者全員で希望条件を共有しておくのがよいでしょう。

2. 見学予約の仕方


次は見学の日時を予約することになります。施設長あるいは担当者によるホームの説明と案内、そして個別の質問、合わせておおよそ2時間程度、比較的スタッフに余裕のある昼食後あたりがよいと思います。昼食時間に合わせて見学するのがよいと書かれたサイトもありますが、体験入居を予定しているのであれば、そのときに分かることなのでそんな忙しい時間にわざわざ行くことはありません。

予約はパンフレットやホームページに書かれている電話番号から行います。時間と同行者の人数、車で行く場合は駐車場が使用できるかどうかも確認しておきましょう。ホームによっては車で送迎してもらえる場合もあります。紹介センターを利用している場合は、相談員が見学の日時の調整など面倒な段取りも全てやってくれます。

3. 見学に誰と行くか


今入居しているホームにもよく入居希望者の家族の方が来られています。中には親族一同かと思うほど多人数で来られている場合もありますが、あまり人数が多いと肝心の聞きたいことが十分に聞くことができないのではないかと他人事ながら心配になります。 ボクの場合は、同居している姉と紹介センターの相談員の方、それに都合がつく場合にはケアマネさんにも同行してもらいました。同じメンバーでいくつかのホームの見学を経るうちに、基本的な希望条件をボクと姉で確認した後、ホームのシステムや提供されるサービスなどの専門的なことは相談員の方とケアマネさんに任せるといったように自然と役割分担ができ、短時間でも内容のある見学ができるようになったと思います。

4. 見るべきは廊下の壁

見学の際には居住スペースや食堂、浴室などの設備を案内してもらえるでしょう。元々社員寮であった建物をリノベーションしてホームに作り替えた場合などでは部屋にミニキッチンやシャワースペースまであるところもありますが、法律で個室の広さが決められていることもあり、部屋のつくりはどこも似たり寄ったりです。しかし、この時、注目してもらいたいのは部屋ではなく、エレベーターホールや廊下の壁です。

そこにはその週の食事の献立表であったり、行事やレクリエーションの日程の書き込まれたカレンダー、誕生日会で撮影された写真、入居者が描いた絵や習字の作品など様々なものが貼られていることが多いです。それらを見ることで入居前にホームの日常の雰囲気を感じとることができます。

入居後にレクリエーションやサークル活動で他の入居者との触れ合いを楽しみにしているのであれば、壁に貼られた展示物が大いに参考になるのではないかと思います。

5. ホームの周辺環境の確認


見学のときに確認するのはホームの設備やサービスだけではありません。ホームの周囲の環境を確かめておくことも大切です。入居してから分ったのですが、日用品やおやつに食べるお菓子が買えるようなスーパーやコンビニが近くにあるというのはかなり重要なポイントです。

また、家族が面会に来るときに車を止められる場所が近くにあるかどうかも確認しておいた方がよいでしょう。ホームの駐車場は時間帯によってはデイサービスの送迎の車の駐車スペースとして使われることが多いので、駐車場があるからといっていつでも使える訳ではありません。

これは特殊な例ですが、ここ数年毎年のように水害に見舞われた地域で老人ホームの入居者が避難することができず、ホームに取り残され孤立してしまうといったニュースを目にするようになりました。これからは自治体の発行するハザードマップなどでホームのある場所の安全性を検討する必要があるかもしれません。


失敗しない老人ホーム選びのポイント 1.情報収集編


自分自身あるいは身内が老人ホームや障害者施設(以下、ホーム)に入所したいという希望があっても、どうやってホームを選べば良いのかが分からず、そこでつまずいてなかなか先に進めないということが多いそうです。

ホームを選ぶのに身近な人や知り合いの「どこそこの老人ホームが良いらしい」といった話だけで決めてしまう人はいないでしょう。しかし、ホームを比較検討するための正確な情報を得るにはどうしたらよいのかについて十分に分かっている人もまた少ないのではないでしょうか。

ボク自身も筋ジスの症状が進行し、日常の生活に大きな負担がかかるようになればホームに入所したいという漠然とした思いは以前から持っていました。そして、実際にそのような状態になった時にどのようにしてホームについての情報を集めたかについて、これまでの記事に書ききれなかったことを含めて自身の経験をもとに紹介したいと思います。


1. ケアマネージャーと高齢者・障害者福祉担当者


ボクの場合、まず最初に相談したのは介護保険でのケアマネージャーにあたる障害サービス相談員と市の障害福祉担当者でした。

ケアマネと自治体の障害担当者の方とは日ごろからコミュニケーションを持ち、ボクの身体の状態や家庭環境などを理解してくれていたので地域内のホームをいくつか紹介していただくことができました。しかし、地域外のホームについての情報までは手が回らないといった様子で、より多くの情報を得るためには他の方法を探る必要があるように思いました。

ただ、ケアマネの方にはホームの見学に同行してもらい、最初の頃はホームのことをよく分かっていないボクに代わって大切な確認事項を質問していただくこともありました。従って、ケアマネや障害担当者は情報源というよりはむしろ集めた情報からそのホームが本当に自分の要望にそうものかどうかを見極めるときに福祉のプロの立場から助言してもらえる頼りになる存在といえるでしょう。

2. 医療ソーシャルワーカー


大きな病院には患者やその家族が生活全般についての相談をすることができる地域連携室や地域包括支援室が設置されています。ボクの場合は年に一度、筋ジス病棟のある大阪刀根山医療センターに経過観察入院するので、その際に地域連携室の医療ソーシャルワーカーの方に相談することで、老人ホーム仲介センターを紹介してもらい、そこから実質的な入居施設探しが始りました。

病院によるとは思いますが、医療ソーシャルワーカーは施設や老人ホームについての情報リソースも豊富に持っていることが多いので、利用しない手はありません。また、病院の先生の伝のあるホームには優先的に入居させてもらえることもあるようです。あまり馴染みのないところですが、ホームへの入居を考えているのであれば、一度相談してみる価値は十分にあります。

3. 老人ホーム紹介センター


ボクがホームを選ぶにあたって一番頼りになったのが病院の地域連携室を通して紹介いただいた老人ホーム紹介センターの相談員の方でした。希望に合うホームのパンフレットの取り寄せからホームの見学の手配、同行しての助言まで大変お世話になりました。

仲介センターはホーム選びのプロなのでその情報量は豊富です。インターネットには掲載されていないホームの情報や、ホームの評判といったことも教えてもらえることもあります。

紹介センターといっても全国的に展開しているとこから地域密着型のところまで様々で、どこが良いとは一概にはいえません。紹介センターは入居が決まればそのホームから報酬を得るというシステムなので基本的に無料で利用できます。したがって、いくつかの紹介センターの話を聞いてから、最も信頼できるところに依頼するのが良いでしょう。

4. インターネットサイト


言うまでもなくホームについて最も多くの情報を得られるのはインターネットサイトです。しかし、その情報が全て正確であるとはいえません。何ヶ月、いや何年も前の情報が更新されることなく掲載されていることも珍しくありません。実際、サイトでは障害者の受け入れも可能と書かれていたホームでも紹介センターを介して問い合わせてみると今は受け入れていないというところもありましたし、ホームページでは良く書かれていても紹介センターの相談員に聞いてみるとあまり良い評判は聞かないということもありました。ネットは便利ですが、立地や設備などのハード面以外は参考程度にした方が良さそうです。

それでもインターネットにある情報の中には実際のホームの雰囲気を知ることができる情報もあります。その一つがホームでの行事やリクレーションの様子などを公開しているブログです。ボクが今入居しているホームもスタッフブログがあり、定期的に更新されています。もう一つは、介護士専門の求人サイトの口コミです。そのホームに勤めているあるいは勤めていた介護士の本音が聞けるかもしれません。どちらも信頼のおける情報とまではいえませんが、ホーム選びの参考にはなると思います。



介護ベッドとG20と引っ越しと



ホームから入居の日取りが6月末に決まったと連絡があった。残り一ヶ月もないので急いでネットで引越し見積もりサイトを探し、見積もりを依頼した。データ入力から早いところで数時間後、次の日までには合わせて数社から連絡があった。

その中から3社を選びに引っ越し費用の見積もりのために下見に来てもらった。来られた方は皆さん親切で引っ越しの段取りや費用について丁寧に説明してもらえた。しかし、結果としてどことも成約に至らなかった。理由は電動介護ベッドの運送にあった。介護ベッドの部屋からの運び出しと軽トラへの積込みにはベッドを一度解体し、ホームで再び組み立てる必要がある。経験があればそれほど難しい作業ではない。それでも、万が一運送後にベッドに不具合が出た場合には責任が取れないので、介護ベッドだけは購入店に連絡して別枠で運んでほしいというのが3社の共通した対応だった。大手の引っ越し業者でホームページには介護ベッドの運送も可能と書かれていることもある。しかし、それは下請けの運送業者に経験がある場合にのみ可能ということらしい。

言われたように介護ベッドだけを専門業者に頼んで運んでもらうことも考えたが、もう一度、介護ベッド込みで運んでもらえそうな引っ越し業者を探してみたところ、老人ホームへの引っ越しを専門に扱っているところを見つけた。電話で問い合わせてみると、使用しているメーカーの介護ベッドの運送の経験もあり、特別料金もなしで軽トラ1台分の料金内で運びますということだったので、そこにお願いすることにした。

これで介護ベッドの件は解決したが、もう一つ思わぬ問題があった。月末は元々引っ越し件数が多くて予約が立て込んでいることに加えて、入居予定日の6月末は運の悪いことに大阪G20サミットと重なってしまうのだ。サミット会場となる市内からは離れてはいるものの道路事情がどうなるのかその時にならないと分からない。結局、とりあえず身一つで入居し、介護ベッドが届くまでの間、一週間ほど体験入居で使わせてもらったモデルルームで過ごしさせてもらうことになった。


障害区分見直しと重度訪問介護サービス



施設入居までにやらなければならないことに障害区分の見直しがあった。入居前に自宅で生活している時の障害区分は4で、障害サービスとして家事援助と外出支援に加えてショートステイを利用していた。給付された時間は十分にあり、自宅にいる分には不自由を感じることはなかった。

しかし、施設に入居するとなればそれでは足りず、十分な介護サービスを受けられない可能性があるので、誕生日月の3月に行われる状況調査に合わせて障害区分を見直してもらえるように市の障害福祉担当者にお願いした。

実際に、いざりのような姿勢で部屋の中での移動はかろうじて出来たものの、着替えやトイレも同居する家族の介助が必要で、ベッドからの起き上がりも日によっては困難なこともあり、常に誰かの見守りと介助がなければ寝たきりになるような状態であるということを障害福祉担当者に話をすると、障害区分の変更は何とか認めてもらえるのではということだった。

障害区分が4から5になるとこれまで受けていた障害サービスが重度訪問介護サービスに変わることになる。重度訪問介護サービスとは、文字通り重度の障害を持つ者に対して見守りや移動支援などを含めた、生活全般にわたる支援を行うサービスのことで、これが使えるようになると月あたりの介護サービスの給付時間も増えるので施設への入居後も十分な介護を受けることができる。

状況調査の後、しばらくして新しい障害サービス受給者証が届き、無事、障害区分が変更されたことが確認できた。しかし、ここからがまた大変だった。といっても、大変だったのはボクではなく、市の障害担当者とケアマネにあたる相談員、そして入居予定の施設のサービス責任者の方たちだ。

なにしろ、重度訪問介護サービスを使って老人ホームに入居するという例がこれまでになかったらしい。そのため、他市でそういった例があるかどうかネットで調べたり、大阪府の障害課に問い合わせたりと苦労していただいた結果、ようやく入居後のサービス利用計画が出来上がった。

そして、入居の日取りも6月末と決まった。施設探しを始めてからほぼ一年。時間がかかった分、納得のできる施設選びができたのではないかと思う。いよいよ引っ越しとなるのだが、そこでも予期せぬ出来事が。それはまた次回に。


体験入居、偶然の再会



年が明け、いよいよ二泊三日の体験入居となった。そこでまたサプライズが。最初に見学に行った施設、つまり断られてしまったが第一希望だった施設での体験入居でお世話になった方がスタッフとして働いていたのだ。奇遇というか、転校した学校で先に転校した元同級生と偶然再会したような感じとでもいえばいいのか、おかげで初めての施設での体験入居の緊張感も一気にほぐれた。

体験入居に使わせてもらったモデルルームは西向きの大きな掃き出し窓があって明るい。ベッドの他には、テレビと冷蔵庫、衣装タンスが備わっていて、シンプルだけれども快適に過ごせそうだ。

トイレは入り口の横、洗面台の横にあり、車いすでも使えるようにカーテンで仕切られている。便座の高さも低めでボクにとってちょうどいい高さだった。公共の施設の多目的トイレでは、足腰の弱った高齢者にとって立ち上がりやすいように便座が高めになっているところが多い。しかし、僕の場合は逆に低い方が姿勢が安定するので使いやすいのだ。トイレに限らず、体験入居では、洗面台の高さや食事のテーブルの高さなど毎日何度も使うところの使い勝手の良し悪しを確認することはとても大切なことだといえる。

この施設の定員は56人となっているが、体験入居の時には入居率は6割ぐらいのように思われた。そのせいか食事の時にも広い食堂が混雑するようなこともなく、ゆったりと食事をとることができるし、またその食事が美味しいときている。この施設を運営している会社の社長は有名料亭で修行した板前さんだったことがあり、食事には力を入れているのだそうだ。

特にスタッフの方が皆さん明るく、介助に手のかかるボクにもやさしく接してもらえて、アットホームな雰囲気も感じることができた。入居者はほぼ全員が高齢者で入居者同士でのコミュニケーションは難しいように思えたが、それ以外は何もかもが希望の条件を満たしていた。

最初の例もあったし、体験入居を終えるとすぐに紹介センターの相談員さんを通して入居申請を提出した。幸い、施設長からはすんなりと入居についてはOKをもらえた。しかし、入居の時期はもう少し待って欲しいとのこと。部屋は空いているので、スタッフの人数が揃うまでということだったのかもしれない。介護業界はどこも人手不足なのでこれは仕方がない。

ようやく入居先が決まってひと安心。後は入居の日を待つだけと思っていたら、まだ一仕事残っていた。それについてはまた次回に。


一周回って灯台下暗し



第一希望の施設に振られてしまったことで、また新たな施設探しを始めることになりました。こんな時に頼りになるのはやはり施設選びのプロである紹介センターの相談員さんです。これまでも多くの施設を紹介してもらいましたが、もう一度障害者の受け入れが可能な施設を探してもらうようにお願いしました。

その結果、紹介してくれたのが同じグループに属する、市内と隣市にある二つの施設。隣市にある施設は自宅から車で20分ほど、JRの駅からも少し離れた閑静な住宅街に建っている。市内の方は、JRと私鉄の両方の駅近くの便利なところにあり、建物も築二年ほどで新しい。しかし、その分、家賃とサービス利用料が少し高くなっている。

どちらを選ぶのかで少し迷ったが、まずは市内の施設の見学に行かせてもらった。自宅から2つ隣の駅前にあり、車なら5分ほど、自転車でも通える距離にある。実際に訪れると予想以上にきれいで、最初から老人ホームとして設計されていることもあり通路も広く、食堂や浴室などもよく考えて配置されていた。

館内を一通り見せてもらった。担当のマネージャーさんはいかにこの建物の作りがしっかりしているかについて熱く語っておられた。後で聞いたところによれば、マネージャーさんは某有名ハウスメーカー出身で、セカンドキャリアとして介護業界に来られたんだとか。なるほど。

もうひとつ、見学には紹介センターの相談員さんに加えて、ケアマネージャーさんにも同行してもらっていた。そうするとなんと、ここの施設長は以前、ケアマネさんの事業所の系列の特養で働いていたことがあり、顔見知りだとのこと。その特養にはボク自身もショートステイでお世話になっていて、聞いてみると利用しているフロアのリーダーをはじめ何人かのスタッフとは一緒に働いたこともあるらしい。なんという偶然。こんなつながりがあったとは、これも縁というものだろうか。

早速、体験入居を申し込んだところ、モデルルームに泊めてもらえるとのこと。体験入居は原則二泊三日となっているものの、希望すればそれ以上、三十泊三十一日でもOKで、実際にそれほど長く滞在した方もおられたのだそうだ。

体験入居は年が明けてからということに決まった。それについてはまた次回に。




振出しに戻ったサ高住選び



刀根山病院で施設入所の希望を伝え、介護施設照会センターに仲介をお願いしてから約8ヶ月、いくつかの施設の見学・体験入居を経て、ようやく希望する施設も決まり、そこが満室であった場合でも空きが出るまでのつなぎ(レスパイト)入居できる施設も見つかった。これで施設選びも終わりかなと思っていた。 

そして、第一希望の施設に空室状況を問い合わせるために電話をかけた。応対してくれたのは施設の見学や体験入居でお世話になった施設長さんだったが、ちょっと様子が変。なぜか歯切れが悪い。 詳しく聞いてみると、そこは隣市でいくつかの障害者を運営しているグループの一つなのだが、グループ全体の方針が入居者について市内在住の若い障害者を優先するということに変わったので、還暦を目前にしたボクを新たに受け入れるのは難しいということのようだ。 

それでも施設長さんは来週にも入居者の判定会議があるので、そこで入居できるように頑張ってみると言っていただけたのですが、やはり特例を認めることは無理ということでした。体験入居の時に合わせて入居の申込書を出していればなんとかなったかもしれないけれども、今となっては後の祭り。この時点で第一希望だった施設への入居は叶わぬ夢となりました。 

こうなった以上、それまでレスパイト入居先と考えていた施設に入居するのか、それともさらに施設探しを続けるのかを決めなくてはいけません、レスパイト入居にと考えていた施設も悪くはなかったのですが、入居を急いでいたわけでもなかったので、紹介センターの相談員の方にもう一度障害者が入居可能な施設を探していただくことになりました。

 続きはまた次回に。


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